第2回〚スポーツ言語大賞〛「野茂さん ありがとうございました」
- sportgengo
- 2月28日
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更新日:24 時間前
2025年度のスポーツ言語大賞に、米国野球殿堂入りセレモニーでの英語スピーチで、イチロー氏がその部分だけ日本語で述べた「野茂さん ありがとうございました」を選出しました。
日本で7年連続首位打者を獲得して米大リーグのマリナーズへ移籍したイチロー氏は、ルーキーイヤーから首位打者、MVPを獲得する大活躍をし、10年連続200安打、シーズン262安打の最多記録を樹立しました。守備・走塁でも目覚ましいプレーを見せ、パワー全盛だった米球界に新風を吹き込み、大リーグ19年間で3089安打、日米通算では4367安打をマークして殿堂入りを果たします。その際の投票では満票には1票不足したが、投票しなかった記者に対して「自宅に招待して一緒にお酒を飲みたい」とユーモアたっぷりに呼び掛ける傍ら、「不完全であるというのはいいなあって。生きていく上で不完全だからこそ進むことができるわけで」と独自の哲学に基づいてポジティブに受け止めます。
一方で、安打記録をつくっても本塁打が少なく、足で内野安打を稼ぐプレーには陰口も絶えなかった中で、自分を生かすにはこれが最適と考えて自らのスタイルを貫きました。批判の裏側には、米国社会のマイノリティに対する偏見ややっかみも含まれていたと考えられますが、そうした苦難を黙って乗り越え、ユーモアと皮肉を利かせた見事な英語スピーチで米国ファンの笑いを誘い、共感を得たのです。
大谷翔平らの活躍で日本語に対する関心が高まり、「ありがとう」は誰もが知る言葉となりましたが、大リーグで活躍する多くの日本人選手の、まさに先駆者となった野茂英雄氏に対する敬意の証として、その部分だけをあえて日本語で伝えました。スピーチを締め括ったこの言葉は米国の聴衆にも響き、日本人選手が乗り越えてきた苦難の歴史と誇りを示す象徴的な日本語ともなりました。
日本人のスピーチが世界へ極めて強いインパクトを与えることができた稀有な例であり、それが日本語でのメッセージだったことを高く評価し、スポーツ言語大賞にふさわしいと判断します。
※イチロー氏の事務所「株式会社M4」のコメント
「スポーツ言語大賞にイチローのスピーチを選定いただきありがとうございます。ただ誠に申し訳ありませんが今回の受賞にあたってイチローのコメント提供は難しい判断となります。大変意義のある賞であることは承知の上で恐縮ですが、今回我々としては選定いただいた事実を受け止めることしかできない状況です。ご期待に沿えず申し訳ありませんが、何卒ご理解とご容赦いただきたく存じます。」


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